ベンハムのコマ

銀河工房から持ち帰った宿題を片付ける。やっぱりここは乾先生でしょうと思って不躾と思いつつも突撃質問。そしたらご親切にも、この件を専門にしてらっしゃる田森先生をご紹介いただく。もちろん即刻突撃質問したら、これまたご親切に教えてくださった。なんと驚くべきことに、よく書籍にある(そして私もご主人にそういう説明をしてしまった)「網膜上の錐体の反応速度の差によって生まれる」という説は覆されているそうだ。先生の原稿をご紹介いただいたので早速探すと学内にあることがわかり、情報学図書館まで借りに行く。読んでさらに驚く。ベンハムのコマはここにあるように、黒い半円と縞模様のある白い半円に分かれているが、この2つの部分を分割して、単なる半円ずつ白黒になった円盤と、白地に半分だけ縞模様のある部分がある円盤に分割する。これを左右の目にそれぞれ見せて、同期して回転させるとやはり色がついて見えるのだそうな。もちろん、片方の種類の円盤だけを両目で見ても色は見えない。つまり、この主観色はまさに網膜ではなく、脳の中で網膜からの情報を処理する間に発生していることになる。ではその中はどうなっているのかというと、当然のように「わからない」のである。さっそく銀河工房に伝えることにする。