10年目

あれから10年だ。黙祷。
あの日のことを振り返る番組が流れるたび、いろいろと思い出す。とにかく、最初に聞いたあの地鳴り(私はとっさに「飛行機が落ちてきた」と思った)。地面ってこんなに跳ねるのかと驚きながら、早く終わってくれと念じ続けたあの長い激しい揺れ。そのままタンスの下敷きになって、ああ次は天井が落ちてきたら終わりだなと思ったこと。幸い天井は落ちてこなかったが、あとで片付けようとしたときに和ダンスの上半分を持ち上げようとして、大人3人必要だったときに、あれが頭にでも直撃していたらと思い反射的に胃が痛くなった。TVを見ていて、現実でないような光景になんともいえぬ無力感に苛まれたことも思い出す。
幸い私の親戚一同は無事だったが知り合いには亡くなった人もいる。途方もない数の人命が失われたように思っていた。それから10年、2つの地震がおきた。新潟の地震には阪神の教訓は少しは生きただろうか。スマトラ沖地震ではさらにケタ違いの人命が失われ、再び人の無力を思う。