確定申告と寄付

この季節になると確定申告が気になる。商売柄、非常勤はいくつかしてるし、講演等で謝金もいただいてるので、額は大したことがなくとも、それなりの数の源泉徴収票が家に送られてくる。これを集めて確定申告の準備をしなくてはいけない。今年はついにe-Taxに5000円引きの特典がある。これで、これまで使いにくいのを我慢してe-Taxしてきた甲斐があるというもの。
確定申告という仕組みは確かにめんどくさいが、もっと多くの人がやる仕組みにしてもよいように思う。自分がいくら税金を払っているか確認するという、納税意識を高める意味ではとても効果があるし、納税者番号や国民総背番号を排除することと引き換えに国民が全体として払っているコストを実感する機会にもなる。なにより、税の申告という仕組みがいかに国民の良心に頼っているか、つまり脱税というのがいかに簡単な犯罪かも実感できる(笑)。
納税をきちんとしてると、今度は税の使われ方に注文をつけたくなるのが人情だが、そこはなかなか思い通りにはいかない。そこでささやかな抵抗の手段として寄付して寄付金控除を受けるという手がある。そういう意味もあって私は毎年チマチマといくつかの寄付をしている。メインはフォスタープランを通じたバングラデシュへの寄付だけど、他にも災害義援金とか。
・・・という話をたまにすると驚かれることが多い。で、驚かれることに、こちらが驚く。いやまぁ、世の中には奥ゆかしい人が多くて、なかなか寄付してることを周囲に言わないんで、寄付という行為が珍しい行為に見えるのだろうと思う。でも、寄付にせよボランティアにせよ、している人たちが名乗り出ないままだと社会にはそういう参加の仕方があるということに多くの人が気付かないんじゃないかなぁ。別に自慢になることじゃない(私なんか税の使い道を変えるんだと思ってやってるわけだから結構ヨコシマだ)し、大金持ちの道楽でもないと思うのだけど(国立大学の教員の収入はだいたいここにある平均の1〜2割引くらい。ここの数字は多分公立や私立に引きずられている)。
だから私は寄付してることは隠さない。そりゃ言いふらしてはいないけど、あえて匿名寄付にしたりはしない。でも世の中にはやっぱり、匿名で寄付する人が多いらしい。そのために、こんなことになったりしている(-.-;なんか大金を寄付したヒトみたいだ(私が寄付したのは1万円だったかと)。確かに京都大学基金は2006年度は3月しか活動してなかったけど、その間に寄付した人で、寄付申し込み時に「氏名公表に同意する」にチェックした人が私しかいなかったとは。