サイバー犯罪「急増」と未成年者

ネット社会に警鐘、サイバー犯罪急増 警察白書(asahi.com)
どっちかというと感慨深いのは「サイバー犯罪」って言葉が報道ですんなり使われるようになったことだったりするがそれはともかく。
この話、サイバー犯罪というカッコイイ?言葉に惑わされて、なんかアングラ技術の進歩によりクラッカーが急増したなんて話に誤解されちゃうと困るなぁ。この辺を見ていただければおわかりかと思うが、総数でいうと大半を占めるのは「ネットワーク利用犯罪」なのだ。これは定義上は「犯罪の構成要件に該当する行為についてネットワークを利用した犯罪、又は構成要件該当行為でないものの、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪をいう。」のだが、中身の半分以上はいわゆるオークション詐欺やワンクリック詐欺の類と出会い系、児童ポルノなどなので、単にその種の犯罪のメディアに昔は別のものが使われていたが最近はネットが使われるようになっただけとも言える。余談だがこのネットワーク利用犯罪、実は定義が徹底してないらしく、いろんな統計を見てると数が矛盾していたりする。特にサイバー犯罪統計に出てくる児童買春の検挙数と出会い系サイト統計に出てくる検挙数が全然違うのはどういうことかずっと気になっている(一度警察庁の某氏にたずねたことがあるのだけど理由についてあまり明快な答えは頂けなかった)。ネットの存在が「犯罪の実行に不可欠」かどうかを統計を集めるときにその都度各都道府県警の担当が判断してるせいだろうか?
いかにもサイバー犯罪らしい、不正アクセス禁止法の場合でも、これまた中身を見ると実はこれもオークション詐欺のためのアカウントの不正利用が過半を占めていたり、最近はネットゲーム事案が増えていたりする(例えばここの表1−4)。要は安易なパスワードを使っているアカウントが盗まれている例が多く、テクニカルな要素はない。いわゆるハッキングや、スパイウェアを使った「高度な」サイバー犯罪は、まだそれほど多くの犯罪にはつながっていない。こういうのを見てると、確かに技術も大切だが社会としてもっとがんばらないといけないのは教育なんじゃないかとつくづく思う(だからこそ、かけずりまわっている!)。
ところで教育といえば子どもである。子どもといえば、昔からとても気になっているのはサイバー犯罪統計に表れる未成年者の数の多さである。かつては一番問題だった出会い系事案は幸い減少傾向なのだが、他の、犯罪、例えば不正アクセス禁止法でいうと、ここの表4−2をご覧いただきたいのだが、法施行以来ほぼ単調増加する検挙数を押し上げているのは実は10代だったりする(検挙者の世代別内訳をグラフに描いてみた)。

もちろん未成年者のほうがこの種の犯罪時に「うかつ」な行為をするので捕まりやすかったりするのはあると思うし、絶対数がいわゆる少年犯罪事案の総数に比べると十分小さいのですぐに大騒ぎするものではない。そもそも現時点では犯罪の内容もそれほど凶悪ではない。ただ、同レベルの手口や技術をちょっと応用するだけでかなり大きな被害を与えることができることを考えると、この流れは早めに変えてやる必要があるだろう。

二語文

今日娘が、Freiaにもらったボールハウスを見ながら、「ボ、ぱい」と繰り返して言っていた。彼女にとって「ボ」は「ボール」、「ぱい」は「いっぱい」、なので、二語文が言えるようになったらしい。同じく外出時、頭をさわりながら、「ぼし、ない」も言った。帽子をかぶってないことを言いたいらしい。これも考えたら二語文だ。すばらしい。成長してるなぁ。
娘を見てて思うのは言葉の発達のフシギ。妻がいろいろ教えているのもあって毎日どんどん語彙が増えているのだが、単語の覚え方がなかなかフシギである。例えば最近色の概念を理解するようになって、青色のものを指差しては「あお!」といい続けているのだけど、他の色はまだちゃんと言えない。赤は「か」、ピンクは「ク」。どうも語尾を先に覚える傾向がある。ところが黄色は「き」、ボールは「ボ」なのはラ行がまだ言えないから?そういやおなじ「ボ」でも最近は「ボーシ」が言えるようになったなぁ(以前は帽子もボールも「ボ」だった)。
最近妻が教えた言葉で気に入ったのは「ハート」らしい。ハート型のものを見つけては「ハート!」と騒ぎ出す。昨日ちょっとタクシーに乗る機会があったのだが、降りてから盛んにタクシーのほうを見て「ハート!ハート!」と大騒ぎするのでなんだろうと思ったら、乗ってきたタクシーがMKタクシーなのだった。