魔女狩り

ssさんがこの記事の見出しに怒っておられる(mixi内)。
犯行前、自室で4時間パソコン 水戸・19歳両親殺害
「自室で4時間パソコン」はあかんのか? というお怒りだ。
異常な事件が起きるたび、人はその犯人の異常性を生んだ原因を見出すために躍起になる。これは、社会の中に他の犯罪者予備軍がいないかどうかを探すための自然な働きなのだろう。しかし問題はここから先だ。「異常な人」と「普通の人」との違いを見出すために、単純な記号を見出そうとする。それも、本当の相関が明らかかどうかはあまり問題ではなく、単純に「普通でない」ものを原因と決めつける傾向がある。これは、そんなラベル付けをすることによって自分が「普通である」ことを確認するために行われているのだと私は理解している。
件の記事、確かになんとなく、「パソコンして」いる姿を「なにやらわからない、アヤシゲなことをして」いる姿と捕らえている人=「長時間パソコンするのは普通でない」と思っている人がラベリングしようとしているように見えなくもない。だが、それだとしても、逆に「自宅で長時間パソコンするのは普通のことだ」というのは逆向きラベリングをしようとしているという点で、あまり質が変わらないんじゃないかと思うんですがどうですか>ssさん
これだけ価値観が多様化しても、何かきっかけがあれば異質なものを排斥しようとするのがこの社会だ。魔女狩りは絶えることがない。もちろん止めたいとは思うが、それこそ宮崎勤事件の際に私を含めたオタクに向けられた圧倒的な悪意を思い出すと、あきらめの気持ちが大きくなる。私にできるささやかな抵抗は、そんなラベリングを相手にしないことだと思っている。