ヒアリング

個人情報保護なんてものに関わっていると世界情勢が気になる。ヨーロッパはEU Directive on Privacyの本場なので、プライバシー関連の法整備は着々と行っているイメージはあるが、米国と違ってなにか大きな市民運動の流れみたいなものは伝えられてこないし、どうも一般的なプライバシーに関する雰囲気みたいなものがつかめない。そこで今回せっかく(超久しぶりに)滅多に来ないヨーロッパに来てしまったので、某社の方にムリいって現地人のヒアリングの機会を作ってもらった。最後のセッションの前に抜け出して某社欧州支社へタクシーで。こちらに来て長い日本人と、オランダ人とドイツ人にちょっと個人情報保護法制の現状やら一般的市民感情やらについて聞いてみた。
サンプル数がこれだけなのでこれが全体の傾向がわかるわけではないが、イメージとしては意外と、Directiveが決まっても各国の国内法の整備はすぐには決まらずばらつきがあるようだ。日本と違い大きな漏洩事件も伝えられていないようで(日本じゃ某ISPから500万人分近く漏れてて大きな話題なんですよとかいうたら驚かれた)、日本ほどピリピリした雰囲気はなさそうに感じた。ただ、徐々に話題に上りつつあるのも確かなようで、以前よりは確実に人々は敏感になっているという。ドイツもオランダも、米国同様の社会保障番号があり国民総背番号制になっているが、それに関してはデメリットよりもメリットのほうが大きいと感じているようだった。両国とも民間利用もしているので、今後問題にならなきゃいいけどねぇ・・・とにかく貴重な機会だった。
その後会食させてもらう。風車そのものがレストランになっているというお店。ヨーロッパ事情についていろいろ談義、楽しかった。突然の来訪に対応してくださった某社スタッフの方々に感謝。