フォレンジックな訪問

朝食からAccessDataのお二人とご一緒に。二人の案内でFBIのForensic Computer Labに連れて行っていただく。Dan Hooper氏にご案内いただく。FBIは全国にこういったForensic Labを展開しようとしており、このLabはユタを含む3州からの事件を扱うといっていた。現在は12名のスタッフで、うち9名が実際の作業にあたる。この9名は3州の州・郡・市警察のスタッフの出向で、3年から5年で戻ってForensicの技術を広げることになるのだそうな。こういう考え方は非常によいと思う・・・日本でも見習ってほしい。内容だが、あまり国内と変わらないと思う。基本は証拠探しであって、指紋取りなどと全く変わらないのだが、必要となる知識が大変だ。Dan氏はNovellのCNAから会計の資格にいたるまであらゆる資格をとっていて、認定書が壁に飾られていた。EnCaseについては資格制度がすでにあり、FTKについても現在作成中(それこそこのLabとAccessDataで共同作成中)らしい。ツールとしてはやはりEnCaseとFTKがメインのようだ。
いろいろ話を聞いた後AccessDataへ。40名ほどの会社だが、これがForensicに関しては世界2位の会社である。FTKの開発チームに話を聞く。結構細かい話まで教えてくれて恐縮。ユタ州だけあってモルモン教徒が多いのか、3人くらい日本語が話せるそうな。
ランチはブラジル風グリルTucanos。この種の店は流行ってるらしく、機内誌にも他の店の宣伝がいくつか出ていた。パイナップルの焼いたやつが結構美味。
食事後、Utah Countyのオフィスで郡警察のForensic Lab.を見せてもらう。ここは郡警察の案件を基本的に全て扱うのだが(一部は午前行ったLabや、他のFBI Labにもいくらしい)、なんと女性1人でやっている(Y.Rice氏)。大変そうだ。年に40くらい、現時点で8件の案件を扱っているといっていた。まさにPowerBookを3台ばかりあけて、HDDのコピー中だった。ここでもメインはFTK。
さらにBrigham Young Universityへ。ここはその名の通り、モルモン教色の強い大学である(ちなみにユタ州といえどモルモン教徒は減っているらしく、ソルトレイクシティですらもはや半分くらいだそうな)。ここでForensicの大学院コースを作っているというCraig Lindstorm氏に会う。中身を聞いたがかなり実践的。コースの最後は、中古屋で買ってきたHDDの中身を実際にForensicするそうだ。学生には大人気だそうだが、やる側は大変だろう(事前に、ポルノなどマズいものが入ってないかHDDはチェックするらしい)。だがCraig氏は本当に楽しそうに語るところを見ると、この人もマニアらしい ;-)
AccessDataに戻って少しディスカッション。しかし眠い。時差ぼけのところつれまわされてはなぁ(^^;
最後にディナーをご馳走になる。Market Place Cottonwood。Jonの奥さんと息子さんも来る。ここの場所、どうも会議室がランチミーティングなどによく使われるらしく、メリルリンチファイザー製薬がこの日は予約を入れていたのが見えた。この店は酒も出る。フィレステーキなどを食べてみた。美味。最後はバカっぽくデザートを頼んでみた。満腹。
最後はJonにホテルまで送ってもらう。疲れたが充実した一日だった。本当におもてなしに恐縮。