ミシシッピ州立大学訪問

メンフィスはテネシー州である。ミシシッピ州立大学は当然ミシシッピ州なのだけど、スタークビル(Starkville)という地方都市の隣にあって、ミシシッピの州都ジャクソンからでもメンフィスからでも同じくらいの距離。飛行機という意味ではメンフィスの方が楽なのでこちらになったのだけど(後で調べたら近くに地方空港があったが1日4往復のアトランタ便しかない)、300kmくらいの距離がある。その間は車を借りた。8時出発なので7:45集合。
・・・のはずが寝坊!目が覚めたら7:30。あわてて支度・・・してたら佐々木先生に迎えにこられてしまって恐縮。8時前にロビーに出て平謝り。ドライバー氏と通訳にお願いしたHiro氏と合流。Hiro氏はこちらに住んで25年になるそうだが、とても陽気に南部の文化などについていろいろ解説してくれた。3時間のドライブ中ずっと話してくれたのだけど、印象深かったのはオクラの話。オクラって西アフリカ原産で、米国には奴隷でつれてこられた黒人が持ち込んだものなのだそうな。現地語でオクラというのだというのも初めて知った。
ミシシッピ州立大学にはCenter for Computer Security Researchというものがある。こちらに訪問、センター長のRay Vaughn氏、David Dampier氏、Yogi Dangass氏にご挨拶。ここはクリントン時代に作られた人材育成プログラムを使って、毎年24人もの学生にScholarshipを出し、厚い経済的サポートのもとComputer Securityの人材を送り出している。そのキーのひとつがComputer Forensicだ。さらにこの大学では地元の警察などへのOutreach Programなどもやっているようだ。非常に活発で驚いた。博士学生2名にも会わせてもらった。どちらも黒人の女性(これも南部ならでは。マイノリティに手厚いサポートがある。)。二人はそれぞれ、Harddisk driveのWipeout toolの評価と、顔認識プログラムの評価(これはもちろんForensicで顔写真の入った画像を効率よく探すために使う)をやっていた。そういや日本人の研究者も着ていたことがあるというので、見せてもらったらなんと松本吉弘先生じゃありませんか。Roy氏もDave氏ももともとソフトウェア工学畑の人みたいなので、こういうことになるんだろうなぁ。
ランチに誘われ、近くのレストランへ。食事はHiro氏の読み通り、Catfish、つまりナマズ。とても香ばしく焼きあがっていておいしい。思ったより上品だなぁと思ったら、この土地のものにしてはかなりレベルが高いとの評価だそうな。街のあちこちに"Go Dawgs"と書いてあるのであれは何かと聞いたら、南部なまりのDogのことのようだ。大学のマスコットがブルドッグなので学生がDawgsと呼ばれているのだろう。
午後は引き続き討論など。Yogiのところの学生さんのプレゼンを受ける。PCIボード上にFPGA使って、ハード的にLinuxVMを認識してコードセグメント内の特定の文字列を検索するシステムの話。ForensicというよりはIDS向けの話だったが、個人的には面白かった。他の訪問団のメンバーにはちょっと気の毒だったかも。
こちらの研究状況の紹介や次回以降のコラボレーションのスケジューリングなどをして、解散。また3時間かけてメンフィスに戻る。さすがにちょっと眠かったので少し車内で寝る。
せめて食事くらいは少し気の利いた場所でと、夜はメンフィスのBeale通りのRum Boogie Cafeへ。ここの食事が一番南部っぽかったなぁ。